リスキリングで使える補助金・助成金まとめ
  • 公開:2024年12月10日
  • 更新:2025年1月7日

リスキリングで使える補助金・助成金まとめ【2025年最新】

近年、働き方や技術の進化が加速する中、企業や個人が新たなスキルを習得する「リスキリング」の重要性が高まっています。

政府や自治体が提供する補助金や助成金を上手に活用すれば、金銭的な負担を減らしながら効率よく学び直せるので活用してみましょう。

この記事では、リスキリングに使える補助金や助成金を紹介し、それぞれの特徴を開設します。

これからスキルアップしたい方や、社員教育に取り組む企業の方はご活用ください。

リスキリングで使える補助金・助成金まとめ【2025年最新】

リスキリングで使える補助金・助成金まとめ

早速、ここではリスキリングで使える補助金・助成金をまとめて解説します。

それぞれの対象講座や特徴にも触れているので、自分が該当する制度がないかチェックしてみましょう。

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金は、企業が従業員のスキルアップを目的とした教育訓練を実施する際に、費用の一部を支援するための助成金です。

企業が自社の社員に対して教育・研修を行うことで労働者の能力向上を促進し、企業全体の競争力を高めることを目的としています。

人材開発支援助成金は、全7コースが用意されています。

  • 人材育成支援コース
  • 教育訓練休暇等付与コース
  • 人への投資促進コース
  • 事業展開等リスキリング支援コース
  • 建設労働者認定訓練コース
  • 建設労働者技能実習コース
  • 障害者職業能力開発コース

リスキリングが対象となるコースもあれば、それ以外のコースもあるのでチェックしてみましょう。

それぞれのコースについて、個別に解説していきます。

人材育成支援コース

人材育成支援コースでは、以下の内容に関する教育・研修にかかる費用を補助します。

  • 業務に関連した知識やスキルを習得させる訓練
  • 厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き訓練
  • 非正規雇用労働者を対象とした、正社員化を目指す訓練

賃金助成は1人1時間あたり760円(中小企業以外は380円)で、費用のうち45〜100%が補助されます。

リスキリング講座の開講費用なども申請できるので、企業に対するリスキリング補助金として活用できます。

教育訓練休暇等付与コース

人材育成支援コースでは、リスキリング等の教育訓練等制度の活用に有給を与えた場合の費用を補助します。

以下の条件をクリアしていれば申請可能です。

  • 3年間に5日以上の取得が可能な有給の教育訓練休暇制度であること
  • 教育訓練休暇制度はすべての被保険者に付与するものであること
  • 制度に関する労働協約を締結し労働基準監督署に提出していること
  • 雇用する被保険者数が100人未満の企業は1人以上の対象者がいること
  • 雇用する被保険者数が100人以上の企業は5人以上の対象者がいること

外部の専門学校の活用を有給付与で支援するようなリスキリングにも使えます。

人への投資促進コース

人への投資促進コースでは、以下の内容に関する教育・研修にかかる費用を補助します。

  • 高度デジタル人材訓練/成長分野等人材訓練
  • 情報技術分野認定実習併用職業訓練
  • 定額制訓練
  • 自発的職業能力開発訓練
  • 長期教育訓練休暇等制度

個人的にリスキリングする場合でも、在籍企業を通じて「自発的職業能力開発訓練」が適用できる場合があります。

もちろん企業主導のリスキリング講座にも各種制度が適用できるので、漏れなく申請しておきましょう。

事業展開等リスキリング支援コース

事業展開等リスキリング支援コースでは、新製品の製造や新サービスの提供等により新たな分野を展開する場合の費用を補助します。

以下の条件をクリアしていれば申請可能です。

  • 助成対象とならない時間を除いた訓練時間数が10時間以上であること
  • OFF-JT(企業の事業活動と区別して行われる訓練)であること

DXなど新たな部門設立のための教育・研修の他、カーボンニュートラル化を進めるための教育も対象となります。

建設労働者認定訓練コース

建設労働者認定訓練コースは、建設労働者の技能向上教育・研修をする場合の費用を補助します。

補助額は対象経費の1/6までかつ1人あたり1日3,800円とされているので、上限を超える部分は自己負担となりますが十分な手助けとなります。

建設労働者技能実習コース

建設労働者技能実習コースは、「建設労働者認定訓練コース」の内容に加えて実践的な技能訓練やトレーニングをする場合の費用を補助します。

資格取得にかかる費用を補助する場合もあり、補助率・額は企業の規模によって変動します。

障害者職業能力開発コース

障害者職業能力開発コースは、障害を持つ方への技能訓練にかかる費用をを補助します。

その他、障害があっても快適に働けるよう、設備を新設・整備・更新する費用も補助の対象です。

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金は、就職が困難になりやすい高齢者・障害者の雇用にかかる費用をを補助します。

リスキリングについては、以下いずれかのコースを適用することとなります。

コース名 対象となる条件
成長分野等人材確保コース 従業員を成長分野(デジタル、DX化に関連する分野)に従事させ、職場環境の改善・能力開発に取り組んでいる
成長分野等人材育成コース 就労経験のない分野・職業を希望する従業員に対して、人材開発支援助成金を活用した訓練を行った上でその業務に従事させている

1人あたり最大360万円の助成が受けられ、特定求職者雇用開発助成金の他のコースより高額になっています。

リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業

経済産業省完結のリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業は、文字通りリスキリングを通じたキャリアアップ支援を提供する企業を支援する制度です。

補助金の支給条件 補助金の支給額
リスキリング講座を提供して、受講者が修了した場合 受講費用の1/2(上限40万円)
受講者がリスキリング講座を経て実際に転職し、1年間継続的に転職先にて就業している 上記に追加で講座受講費用の1/5(上限16万円)

自社の従業員向けの制度というより、キャリアアップ分野でサービスを提供している企業向けの制度と言えます。

転職エージェントや各種専門スクールなどが主な対象となっています。

教育訓練給付金制度

教育訓練給付金制度は、労働者による主体的なスキルアップを支援するための「個人向け」補助金・助成金制度です。

企業経由でなくとも個人単位で申請が完了するのがポイントで、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了すると、受講費の一部が給付金として支給されます。

教育訓練の種類 対象となる講座・資格の例 支給金額
一般教育訓練 中小企業診断士、TOEIC、TOEFL、日商簿記などを取得するための講座・大学院 受講費用の20%(上限10万円)
特定一般教育訓練 社会保険労務士、税理士、行政書士、司法書士、宅地建物取引士、ファイシャンナルプランニングなどを取得するための講座・基本情報技術者試験などのIT関係資格取得の講座 受講費用の40%(上限20万円)
専門実践教育訓練 ・専門職大学院(MBA、法科大学院など)・専門学校(経理・簿記、情報、デザインなど)
・大学院の職業実践力育成プログラム(社会科学、工学・工業)
・応用情報技術者試験などのIT関係資格
・AI、IoT、データサイエンス関係の講座
最大で受講費用の70%(年間上限56万円、最長4年)

例えば、プログラミングスクールやWebマーケティングスクールなどの受講費も補助してもらえます。

ただし「厚生労働大臣が指定する教育訓練であること」が条件となるため、全ての専門スクールが該当するわけではありません。

教育訓練給付金を使ってリスキリングしたいときは、対象スクール・対象講座であるか確認してから入会しましょう。

【東京都】短期集中型資格取得支援訓練事業

東京都による「短期集中型資格取得支援訓練事業」では、短期集中型で資格取得を目指す人を補助しています。

ITパスポートや宅地建物取引士など対象の資格は幅広く、実務経験も問われないためリスキリングにピッタリ!

eラーニングによる自宅学習と、試験直前に実施される合宿訓練とに参加することが条件です。

【石川県】金沢市大学連携リスキリング促進助成金

石川県では、金沢大学と連携してリスキリングを支援する取り組みを始めています。

金沢市と連携協定を締結している高等教育機関でのリスキリングに対し、入学料・受講料の1/2(上限額2万円)を支給します。

市内に居住している人、市内の事務所に勤務している人のみが対象となるため注意しましょう。

【岐阜県】ものづくりDX人材育成リスキリング事業

岐阜県が主導する「ものづくりDX人材育成リスキリング事業」では、デジタルスキルに特化した雇用型訓練を実施しています。

直接的に費用が支給される助成金・補助金ではありませんが、雇用型訓練は完全無料で提供されれるため、費用面でのメリットが多いのが特徴です。

実質的な費用補助と考えて受講を検討してもよいでしょう。

リスキリングの補助金でよくある質問

最後に、リスキリングの補助金に関する「よくある質問」を紹介します。

気になる項目がある方は事前にご確認ください。

個人事業主でも申請できる?

個人事業主でも申請できる補助金・助成金があります。

例えば「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」の場合、個人で利用できるため雇用形態が問われることはありません。

キャリアカウンセリングなども提供されているため、今後会社員になるかフリーランスになるか迷っている人にもおすすめです。

育休中でも利用できる?

育休中でも、個人向けの「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」は利用できます。

その他、リスキリング研修に参加するなど育休中でも無理なく活動した場合、その開講費用が補助されることもあります。

対象講座にはどんなものがある?

リスキリングの対象講座として、代表的なものは以下の通りです。

  • プログラミング
  • データサイエンス
  • ビッグデータ解析
  • AI
  • AR/VR
  • Webマーケティング
  • DX

上記のような時代ニーズの高い項目についてリスキリングする人が多く、実務にも直結しやすいことから人気を集めています。

また、国や地方自治体、民間企業などが一体となってリスキリングに取り組む「リスキリングコンソーシアム」という試みもあるのでチェックしてみましょう。

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